JaSST ソフトウェアテストシンポジウム

JaSSTソフトウェアテストシンポジウム

JaSST'17 Kansai セッション概要

S1-1) 基調講演

10:00~11:00 (60分)

セッション 1-1

「人工知能開発の問題点と品質保証について」

写真:細川 宣啓 氏

細川 宣啓(日本IBM)

セッションの内容

人工知能技術に対する注目すべき点はその期待に反して実用に踏み込めないシーンが少なくない事である。生命体としての人間の知能を模倣する方向を模索し、部分的な研究は一定の進捗を見せたが、実際にはソフトウェアの実用化・商用化・普及にはまだ一定の時間がかかると思われる。
本発表は人工知能ソフトウェアの実用化・商用化の阻害要因について考える。
第一に、開発者に求められる知識領域が広がった点が挙げられる。いわゆる開発者人口の問題・人材不足を取り上げる。次に、その品質をどのように定義し、保証し、安全を得るか、およびその困難さと(部分的ではあるが)実験済みの解法について論じる。最後に、脳の模倣としてのハードウェアの進化に比して、ソフトウェア開発の方向性選択の困難さの問題を論じる。人工知能に対する過度な期待がある反面、畏怖の念を抱く感覚、信頼性課題・信用できないという心理面、地域性や倫理観についても取り上げる。

講師プロフィール

ソフトウェア欠陥の研究者。
1992年日本アイビーエム株式会社にSEとして入社。
2000年より同社品質保証部にてレビューを専門に行う『Quality Inspection』チームを設立。
2005年より同社にて Stephen H. Kanに師事。定量メトリクス測定、品質工学、ソフトウェア工学を学ぶ。
現在同社東京基礎研究所にてソフトウェア工学の応用研究を行う傍ら、品質検査技術、品質検査ツールの開発を行いながら、ソフトウェア欠陥の研究に従事する。

日本科学技術連盟SQiP研究会(欠陥エンジニアリング)主査

S1-2) 基調講演

11:05~12:05 (60分)

セッション 1-2

「人工知能技術を利用したアプリケーションの開発とテストについて」

写真:増田 聡 氏

増田 聡(日本IBM)

セッションの内容

近年,人工知能の分野が注目を集めています.人工知能技術を利用することにより,従来は比較的困難であったことをより容易に実現できる分野が出てきています.情報システムの分野においても,人工知能技術を利用した従来にないアプリケーションの構築や,アプリケーション開発自体に人工知能を利用することによる作業効率や品質の向上を図る動きが出てきています.今回は音声応答システムを利用したアプリケーションの事例や関連研究などをご紹介し,新たに求められるテストの課題を紹介します.

講師プロフィール

1991年日本アイ・ビー・エム株式会社に入社。アプリケーション開発・保守部門において、新手法や新技術、ツールの適用・展開などの技術支援業務に従事。
2002年から海外IBMと共に、テスト方法論、技法、テストツールに専門的に取り組み、日本のプロジェクトにおいて展開を行う。
2014年からIBM東京基礎研究所において、サービス・ソフトウェア・エンジニアリング研究に従事。

情報処理学会正会員、IEEE Computer Society 正会員、NPO法人ソフトウェアテスト技術振興協会(ASTER)理事。

S2) スポンサーセッション

12:10~13:10 (60分)

セッション 2-1

スポンサーセッション

SHIFT

富士通

ベリサーブ

JSTQB

MathWorks

3A) 問題発見セッション

14:20~16:40 (140分)

セッション 3A-1

「納得できるテストをつくるアプローチ(ワーク込み)
~妥当な判断をするための問題発見方法と思考フレームワーク紹介~」

水野 昇幸(JaSST Hokkaido 実行委員会)

セッションの内容

AIに限らず、非機能要求や新しい技術に対しても妥当性を確認することが困難な場合が多々あります。
何となく実現方法を決定して、テストで確認したつもりになっても気がかりが残ることも多く、システムテストフェーズや出荷後に問題が発覚して、大きな損失が発生してしまうこともあります。
本セッションでは、判断が難しい妥当性を考えるための技術としての思考フレームワークを紹介し、問題を発見する方法や納得できるテストをつくる方法の例を紹介します。
業務で試してみることも可能な技術ですので、演習問題で実際に試してみましょう。

3B) テクノロジーセッション

14:20~16:40 (140分)

セッション 3B-1(60分)

「サービスデザインの時代
~顧客価値をビジネスに~」

長谷川 敦士(コンセント)

セッションの内容

価値観、生活スタイルの多様化に伴い、ビジネスの主戦場も製品スペックから、利用体験へと変化してきました。
この利用体験の設計はユーザーエクスペリエンスデザイン(UXデザイン)と呼ばれていますが、このUXデザインによって事業開発を行っていくアプローチがサービスデザインです。
世界的にサービスデザインは、民間の事業開発だけでなく、公共機関の行政サービスにも活用されています。
これからのビジネスを考えるとき、サービスデザインは避けては通れません。

本講演では、サービスデザインが生まれるに至った背景から、サービスデザインとはなにか、どうやって実施するかを紹介します。
また、サービス型の企業経営方針であるサービスドミナントロジック、そしてデザインを経営に取り込むための組織改革などについても解説します。

セッション 3B-2(60分)

「AIとテストパターン
~AIを適用した製品・サービスに対してテストをどのように組み立てていくか~」

徳 隆宏(オムロン)

セッションの内容

AI技術を適用した製品・サービスに対してテストエンジニアリングの取り組みをパターンとして申し上げます。その上で、会場の有識者によるご意見をいただきつつパタンランゲージとしてその場で共有し発表と致します。

S4) 招待講演

17:15~18:00 (45分) 6F 中ホール

セッション 4

「UI自動テストツールとAI」
~AIを使った自動テストの「今」と「未来」~

伊藤 望(TRIDENT)

セッションの内容

ディープラーニングなどの新しいAI技術の登場は、自動テストの世界にどのような影響を与えるのでしょうか。このセッションでは、AI技術を使った新たなUI自動テストサービス「Magic Pod」を題材に、AIを使った自動テストの「今」と「未来」についてお話します。