鈴木 兄宏(日科技連出版社)
セッションの内容
専門書出版における編集者の役割の一つは、著者の主張(言いたいこと)を、読者が読み間違えず、しかもできるだけ理解しやすい本になるように著者を手助けすることです。もちろん、原稿に文法上の誤りや事実誤認、法律上・倫理上の問題がないかなどについても目を光らせています。また、原稿にはない、読者だったら知りたいであろうこと(喜ぶこと)を想像して加筆を依頼することもあります。これらの過程において編集者の個性が発揮され、たとえ同じ著者が書いた原稿であっても違った本になります。
本講演では原稿やゲラの校正・校閲というプロセスにおいて編集者が何に注意を払っているのか、そして、どのように著者と向き合いブラッシュアップを図っているのか、その一端をご紹介いたします。
講師プロフィール
鈴木 兄宏(日科技連出版社)
1996年、(株)日科技連出版社に入社以来、一貫して編集業務に従事。2020年3月から同社取締役出版部長。
ソフトウェア関連書では『実践ソフトウェアエンジニアリング』(プレスマン著、西康晴・榊原彰・内藤裕史監訳)、『ソフトウェア品質会計』(誉田直美)、『ソフトウェアテスト技法ドリル』(秋山浩一)、『ソフトウェアプロセス改善手法SaPID入門』(安達賢二)、『データ指向のソフトウェア品質マネジメント』(野中誠、小池利和、小室睦)などの編集を担当。
常盤 香央里(グロース・アーキテクチャ&チームス)
セッションの内容
あなたがレビューをする側のとき、「指摘事項が思ったように反映されていない」とか「レビューイの説明が期待外れだ」とか「レビューイ自身が考えずに、レビューアに答えを求めてくることが多い」と感じたことはありませんか?
あなたがレビューを受けている側のとき、「言われた通りに直したのに違うと指摘される」とか「レビューアから何度も同じような説明を求められる」とか「自信がなかったところを「何も分かっていない」と指摘されてもどかしい」と感じたことはありませんか?
レビューアもレビューイも、レビュー対象が良くなることを目指して、それぞれにがんばっているはずなのに報われない…そんなレビューから抜け出し、レビューイの成長に寄与するポイントをご紹介します。
今回の事例では、レビュー対象として「とあるスクラムチームのふるまい」を取り上げます。レビューイは「スクラムチームのメンバー」、レビューアは「スクラムチームを外から支援するコーチ/コンサルタント」です。
一見、ごく限定的な場面でしか活用できないように見えるかもしれませんが、この事例はレビュー全般に適用可能な考え方です。ぜひ、あなたのレビューを改善するために、この発表を通して「レビューにおけるフィードバックのチューニング」を体感してみてください。
川島 義隆(ウルフチーフ)
セッションの内容
レビューはさまざま工程・成果物に対して用いられますが、私は得意領域の関係上、アーキテクチャ設計やその結果として生じるトラブルへの対策などのレビューを多く経験してきました。アーキテクチャは設計に関する重要な意思決定であり、どういう代替案を検討しどういう評価基準を用いたのかが、特にプロジェクトの成否を左右する要因となります。このセッションでは、そういった局面でのレビューについて掘り下げて考えてみたいと思います。
講師プロフィール
川島 義隆(ウルフチーフ)
1999年大阪大学大学院卒業後、東洋情報システム(現TIS株式会社)入社。以降メディア系のWebアプリケーションを中心に、さまざまなシステムにソフトウェアアーキテクトとして携わる。2018年TIS株式会社退社後、株式会社ウルフチーフを創業し「流しのアーキテクト」として、変わらずさまざまな現場のアーキテクチャ設計支援を行っている。