セッション 0
(JaSST Hokkaido 実行委員会)
セッション 1
セッション 2
福住 伸一(理化学研究所/東京都立大学/千歳科学技術大)
コンピュータが一般的に使われるようになった1980年代後半から、ユーザビリティという概念は提唱されてきたが、当初は、厄介なコンピュータを「何とかして使えるようにする」ということが目標であった。その後、コンピュータを「使いやすくする」という考えになり、今では使う人だけではなく、使ったことによる影響を幅広く捉えるようになってきた。また、コンピュータとのインタフェースも視覚的なGUIだけでなく、聴覚や触力覚にまで広がり、ユーザにとってもコンピュータにとっても選択肢が多くなってきており、そのため、ユーザビリティに対する捉え方も多様になってきている。
本講演では、様々なユーザビリティの考え方に基づいた国際規格の捉え方と関連するユーザインタフェースの最新の規格動向について紹介する。さらにソフトウェアの品質としての利用時品質を紹介するとともに製品品質におけるユーザビリティの問題点について指摘し、今後の方向性について解説する。
福住 伸一 氏(理化学研究所/東京都立大学/千歳科学技術大)
国立研究開発法人理化学研究所革新知能統合研究センター 兼 東京都立大学客員教授/公立千歳科学技術大学客員教授
1986年慶應義塾大学大学院修士課程修了。同年 NEC入社。2018年4月より、(国研)理化学研究所革新知能統合研究センター副チームリーダー。2014 年度はこだて未来大学客員教授、2020年より、東京都立大学客員教授、公立千歳科学技術大学客員教授。工学博士、認定人間工学専門家、HCD-Net認定人間中心設計専門家。科学技術の社会受容性の研究及び人間中心設計プロセス関連の研究開発に従事。日本人間工学会理事、人間工学専門家認定機構長。ヒューマンインタフェース学会理事及び監事を歴任。 ISO TC159 (人間工学)/SC4(HCI)国内委員会主査及び国際エキスパート。ISO/IEC JTC1/SC7(ソフトウェアエンジニアリング)Quality in Use 国際エディタ。2020年よりISO TC159/SC4-ISO/IEC JTC1/SC7 Joint Working Group28 (Common Industry Format for usability)共同議長。令和3年度経済産業省産業標準化事業経済産業大臣賞受賞。
セッション 3B
金内 和子(CGFM)
金内 透(CGFM)
弊社では、開発するサービスに関わるメンバー(クライアント、システム開発会社、デザイン会社)と一緒に、チームとなってワークショップ形式で打ち合わせしながらUIデザインを考えています。 サービスの目的、ユーザー理解、要件定義など、チームで認識をすり合わせる必要がある都度、ワークショップを行います。 よく行うワークショップについての説明や、なぜ「一緒に作る」にこだわるのか、についてお話しします。 トークを30分ほど行った後、ワークショップを予定しています(120分 4人1組でチーム作成)。 参加者の方にも実際にワークショップで「早く作って早く試す」体験をしていただきます。 (ペルソナ、即興演劇、ユーザーシナリオ作成、ペーパープロトタイプ作成、簡易ユーザーテストを予定)
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金内 和子 氏(CGFM)
合同会社CGFM デザイナー
個人・企業・大学・自治体などのWebサイト企画・デザイン制作を経て現在は主に業務系サービスのUIデザインを手がける。
UI実績:
キャラクターデザイン:
金内 透 氏(CGFM)
同会社CGFM 代表社員 UIデザイナー / IT系野良ファシリテーター
福岡在住。2007年に合同会社CGFM起業。HTMLコーダー、フロントエンドエンジニアを経てUIデザインの仕様策定を得意とするIT系ファシリテーター。
「Create a Good Future Meeting (良い仕事は良い打ち合わせから)」
のCGFMの理念にデザインアドバイザーとして様々な企業の新規事業や仕様策定の打ち合わせの場からデザインしています。
本業に加え、個人活動として「前を向こうとする人の成長促進を助ける」をモットーに、教育現場や福岡のコミュニティでワークショップを不定期開催中。
Webサイト:
主な実績/活動:
セッション 3A-1
藤田 真広(ベリサーブ)
現代のビジネスにおいて、システム開発は欠かせないものになっている。そして、システム開発において最も大切なのは、「価値」を提供することである。しかし、多くアジャイル開発の場合、いくつかの課題により開発チームが「価値」に向き合うことは困難であり、「価値」に基づいた実装やテストができないことにより手戻りや無駄が発生したり、「価値」あるシステムにならなかったりする傾向がある。この問題を解決するために、システム開発チームが「価値」を提供するための対策が必要となる。
本発表では、アジャイル開発における「価値」に向き合ったシステム開発の手法を使った事例を報告する。
一般的にソフトウェア開発では、ユーザーの課題を解決したり、ユーザーに魅力を提供したりする「価値」あるシステムを作りたいと考えているが、様々な課題により「価値」あるシステムが作れないことがある。それに対応するために、まず、「価値」の全体像を定義する。次にユーザーストーリーごとに「価値」を考えながらシステムを定義していく。これらの対策を実施することで、システム開発チームはより効果的に「価値」に向き合い、システムの外側の課題や「価値」を理解し、それを内側の機能に落とし込むことができる。また、落とし込んだ機能が価値を発揮できているかテストすることで「価値」を持続的に発揮し続けることができるようにするという取り組みを行った。
セッション 3A-2
物理カード読み取り操作が必要なスマホアプリの開発において、テスト自動化を行った事例について紹介する。
スマホアプリの開発において、スマホの機種特性による挙動の差異を確認するため、EtoEの多端末テスト実施が要件となっており、アプリの対象機種×対象OSバージョンを網羅する必要があった。また本アプリの特徴として、スマホのNFCを用いて物理カードを読み取る操作が必要であり、物理カード読み取り操作を含む多端末テストの実施には、多大なコストが継続的にかかることが問題であった。
物理カード読み取り操作が必要なスマホアプリの開発において、物理カードを用いた操作が自動化の障壁となるため、機種やOSバージョン毎にEtoEの多端末テストを人手で行うことが必要であり、実施には多大なコストが発生する。その対策としてロボットアームやスマホ操作を自動化する仕組みを導入することによって、物理カード読み取りを含めた一連のテスト操作の自動化を実現した。加えて、テスト実行の効率化のために、並列でのテスト実行の制御/モニタリング可能な仕組みを実装することにより、自動化前と比べて37%の工数削減を達成した。
セッション 3A-3
石川 佳一(東京エレクトロン)
佐藤 淳哉(東京エレクトロン)
中岫 信(東京エレクトロン)
半導体製造装置の画面やサポートツール、アプリケーション等のソフトウェアを開発しているが、半導体の製造工程で大きく開発組織が分かれている。また、各開発組織で複数のプロダクトがあり、ソフトウェア資産が多岐にわたっている。プロダクトが異なるとソフトウェアのデザイン(※)が少しずつ異なっている。
※デザイン:レイアウト等の見た目に限らず、操作時の振る舞いを含めている
一つのプロダクトのソフトウェアだけを扱う上ではデザインに違和感が少ないが、利用者の中には複数のプロダクトのソフトウェアを扱う場合があり、デザインの違いが顕著に現れる。利用者からは「同じ会社のアプリケーションなのに、プロダクトが変わるとなぜこんなにデザインが違うのか?」と聞かれることもある。
これには、デザイン検討時に明確な指針がなく、開発担当者の経験、感覚やプロダクトの過去のソフトウェアの知見、資産の積み上げによるところが大きいと考える。
そこで、プロダクト間の差異を減らすため、デザイン指針をまとめ、プロダクト問わず適用可能なガイドラインを作ることにした。これにより、デザインの完全な統一は不可能、既存のモノの改修は難しい、という前提ではあるが、今後の開発で「ここのデザインをどうする?」を経験、感覚だけに頼らないようにする。
セッション 4-1
永田 敦(サイボウズ)
成功し、確立されたビジネスの多くは、複数の人々、チーム、部門が共通の目標に向かって協力することで成り立っている。もし、チーム内で、プロジェクトの目的や方針、ゴールに対する認識が乖離し、それに気づかないままに進めてしまえば、プロジェクトは失敗する。PMBOKでは、プロジェクト計画書によって対処している。プロジェクト計画は、計画駆動型開発で、しっかりとした計画を遂行するために時間をかけて作られることが多い。
Rasmussonは、アジャイル開発に適応した、より早く軽量な、"インセプションデッキ"を提唱した。これをイテレーションを開始する前に行い、プロジェクトの全体像を整理する。これにより、メンバーは、共通の認識と目標を持つことができる。
しかし、実際にインセプションデッキを行ってみると、軽量さや、プロジェクトのコアな部分を明確に表現できないことが見受けられる。これでは、その目的が果たされないばかりか、チームに重い負担をかけることになる。
アジャイル開発を行っている弊社では、チームが目的や方針のベクトルを揃えるために、インセプションデッキを用いているが、次のような問題を起こすことが多く見受けられた。1.実行に時間がかかり定着できない。2.表現がステレオタイプになり、プロジェクトのコアな部分を明確に表現できない。3.ステークホルダが一つに限られているので、多様なステークホルダの価値を考慮できないため、計画のバランスを欠いてしまう。施策としては、インセプションデッキのファシリテーションにおいて、順番や解説の工夫をすることで、時間を8割以上減らした。2.3の問題では、価値駆動開発の手法を用いて、計画に自分たちのビジョンが意思として表現できるようになり、ステークホルダの多様性に対処した価値を認識でき、バランスの取れた要求の計画ができるようになった。時間の短縮とともに、計画内容の向上も実感して、インセプションデッキを繰り返し行うモチベーションを持つようになった。
セッション 4-2
高木 進也(東京エレクトロン)
西村 理恵(東京エレクトロン)
細川 寛之(東京エレクトロン)
装置組込みソフトウェアに対して、本格的なユーザビリティ評価が行われていないことが多々ある。この理由として、利用者が限定されている、リリース後に改良が難しいため評価する意義が薄い、といったことが考えられる。たとえ、ユーザビリティ評価を行っていたとしても、個人の感覚による主観的要素が強い定性的な評価となっていることが多い。
ユーザビリティに関して大きく2つの問題が発生していた。1つはユーザビリティ上の問題が混入したままとなり、ユーザタスクのゴール達成までに誤操作を誘発したり、画面間で導線に統一感がなく操作時間が余計にかかったりし、操作効率を下げていた。またそのために、ユーザー満足度を下げてしまっていた。もう1つは改善を実施したとしても、ユーザー操作における効果、効率、満足度の向上につながっていないことがあった。
効果的にユーザビリティ評価を実施するためには、客観的、定量的に評価でき、かつ評価結果をフィードバックできるようにする必要がある。また、ユーザビリティ評価を客観的、定量的な評価にするためのアプローチとして、UXメトリクスを参考に評価シートの作成を行った。また、この評価シートの結果は、機能改善や今後の機能追加に役立てられるように、サイクル化している。
セッション 5
セッション 6
小林 政文(ホールアース自然学校沖縄校がじゅまる自然学校)
1999年世界は滅亡するとメディアに翻弄され、素直なままに世界を救いたいと環境保護への道を目指した少年時代。
いよいよ社会に飛び出たのは就職氷河期と言われた時代であり、そんな仕事にはすぐに巡り合えなかった。
やっと出会ったのはネイチャーガイドという仕事。
私たちガイドが『楽しい』を広げることで持続可能な社会に貢献できると理解し、今も一人一人と自然の中へ飛び出る日々。
私自身が環境教育、インタープリテーション、ファシリテーションなどの考え方を学びながら実践する日々と皆さんの日々の挑戦が重なり合う部分がきっとあると信じお話しさせていただきます。
小林 政文(ホールアース自然学校沖縄校がじゅまる自然学校 代表)
主に自然体験をとおした環境教育による人材育成を実践。これまでのツアー実績は幼児からシニア世代を対象に2万人近く。また、世の中によりよい効果を持続的に生み出し続けるために指導者育成にも力を入れており、これまで環境教育指導者を2000人近く育成している。
これらの経験を軸に、地域・観光・環境・教育など多岐にわたる事業において講師やファシリテーター、アドバイザー、プロデューサーとして参画している。
NPO法人日本エコツーリズムセンター 理事
一般社団法人日本アウトドアネットワーク 理事
沖縄県修学旅行推進協議会 商品造成・PR分科会 委員長
奄美・沖縄ガイドネットワーク 主宰
セッション 7
(JaSST Hokkaido 実行委員会)
[写真]JaSST'23 Hokkaido 会場にて
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